肩関節 上腕骨頭前方偏位について
こんにちわ!
最近職場の異動で県外に飛ばされる夢を
見ましたPAISENです(_ _).。o○
ちなみに県外に違う部署などない職場です
なんと意味不明な夢だったのでしょうか...
さてそれはさておき
肩関節疾患の患者さんの治療って難しいですよね( ; ; )
初めは肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節へのアプローチがメインとなってきますが
徐々に胸郭・脊柱・骨盤まで見る場合もありますよね
そこで今日は肩甲上腕関節に着目して
上腕骨頭前方偏位について書いていきたいと思います
上腕骨頭前方偏位とは
肩峰に対して上腕骨頭が1/3以上前方に変位している状態
そうなることによって腱板疎部などへの肩前面組織への伸長or圧迫ストレスが増加する
前方偏移しているかどうかは健側と患側の両方をみて
左右差を確認すれば良いかと思います
上腕骨頭前方偏位の原因
大胸筋の短縮
大胸筋は上部・中部・下部に分かれている
<起始> 上部:鎖骨内側1/2
中部:胸骨、肋骨軟骨2-4
下部:遠位胸骨、腹直筋鞘前葉
<停止> それぞれ大結節稜に停止
<作用> 上部:肩関節屈曲・内転・内旋
中部・下部:肩関節内転・内旋
もし大胸筋の短縮があった場合にはどうなるでしょうか?
大胸筋の走行から上腕骨が内旋していき徐々に骨頭が前方に偏位していくことが
予測されますね。
また中部と・下部に関しては肩関節屈曲時には筋肉の走行により
伸張ストレスがかかることが考えられます。
つまり、大胸筋が短縮していると上腕骨頭が前方偏位するだけでなく
肩関節屈曲制限にもつながる可能性があります。
肩甲下筋の弱化
肩甲下筋は回旋筋腱板の一つで肩甲上腕関節のインナーマッスルの役割を担う
<起始> 肩甲下窩
<停止> 上腕骨小結節
<作用> 肩関節内旋
回旋筋腱板はインナーマッスルであるためアウターマッスルに比べると
関節を動かすというよりは関節を支持する役割を持っています。
肩甲下筋は上腕骨頭の前面に付着することから収縮することによって
上腕骨頭を求心位に維持するので上腕骨頭が前方に偏位することを防ぎます。
では肩甲下筋が弱化するとどうなるでしょう?
求心位に保てずに徐々に骨頭が前方に移動していくことが考えられますね!
棘下筋・関節包など(後方組織)の短縮・硬化
棘下筋
<起始> 棘下窩
<停止> 上腕骨大結節
<作用> 肩関節外旋
棘下筋は上部線維と下部線維に分かれており
1st positionの外旋では棘下筋全体が収縮するが主に上部線維の活動が大きく
2nd positionの外旋では下部線維の活動が大きい
ここで疑問点が出ますよね?
棘下筋は外旋作用なのになぜ上腕骨頭前方偏位になるのか?
これは条件があります
それは肩甲下筋の弱化・前方組織の伸張性が高いことです
肩甲下筋の弱化や前方組織の伸張性が高い状態で棘下筋など後方組織が短縮・硬化すると
硬くなった後方組織が上腕骨頭を後方から前方へと押し出してしまいます。
しかし肩甲下筋の弱化や前方組織の伸張性が高いとそれを止めることが出来ません...
それらによって上腕骨頭前方偏位が生じてしまいます。
肩甲骨内旋
肩甲骨内旋は水平面上から見て肩甲骨の外側が前方へと移動することです
肩甲骨外転といっても良いですが
以前参加したセミナーで
「肩甲骨内旋を外転というのは古い!!!( ̄∇ ̄)」
と言われたので内旋と表記させていただきます。笑
肩甲骨内旋と上腕骨頭前方偏位との関係性ですが
正常なアライメントの状態でも肩甲骨の関節窩はもともと前外側を向いています
肩甲骨の内旋が生じると肩甲骨の関節窩の向きはより前方を向きます
そうなるとそれに伴って上腕骨頭も自然と前方へと移動してしまい
上腕骨頭前方偏位が生じてきます
肩甲骨内旋のアライメントの原因としては
・小胸筋(烏口突起に付着)の短縮
・菱形筋・僧帽筋中部線維・下部線維などの筋力低下
などが考えられます
胸椎後弯
胸椎後弯はいわゆる猫背・円背のことです
胸椎後弯の原因は脊柱自体の問題もありますが
頸部や骨盤のアライメントの問題などもあり様々です
胸椎後弯と上腕骨頭前方偏位の関係性ですが
胸椎後弯が生じると肩甲骨のアライメントはどうなるでしょうか?
背中が丸くなるので自然と肩甲骨は外側に逃げていくことが考えられます
すなわち肩甲骨内旋が強まります
胸椎後弯は直接というよりかは間接的に上腕骨頭前方偏位に関与します
まとめ
以上、上腕骨頭前方偏位について述べさせていただきました
これら以外にも間接的な原因因子はまだまだありますが
私が普段臨床で特に修正する部分を説明させていただきました!
皆さんも肩関節周囲炎で上腕骨頭前方偏位している患者さんの治療をする際には
上記を参考にしていただけたらと思います